一酸化炭素の検出

一酸化炭素の検出 NDIRとはあまり聞きなれない言葉ですが、Non Dispersive Infraredの頭文字をとった言葉であり、日本語では非分散型赤外線吸収となります。このNDIRは赤外線にガスを当てることで、その中の特定の波長を吸収する性質を利用し、さまざまなガスを検知する装置として利用されています。

おもにNDIRが利用されているものとしては、ガス濃度を測定する装置である自動車などの排気ガスの測定や、呼気のアルコール検知、火災の検知などの比較的身近なところで見かけるものもありますし、とくに二酸化炭素を計測するために活用されていることは有名です。もっとも二酸化炭素に限らず、赤外線の吸収特性のあるガスならば基本的に測定可能です。それゆえに一酸化炭素濃度も検出が可能であり、一酸化炭素は無味無臭で中毒の原因となるケースも多いことから、科学研究所や炭酸飲料生産の工場、自動車などの機械類の製造現場にして大変重宝されています。

赤外線式ガス分析法(IR)におけるNDIR

赤外線式ガス分析法(IR)におけるNDIR ガス分析において、IRとは赤外線式の分析法のことを表します。IRは、英語のinfrared(赤外線)の略です。赤外線式ガス分析法は2種に大別することができ、一方がフーリエ変換赤外分光法、他方が非分散型赤外線分光法と呼ばれます。後者の非分散型赤外線分光法またはその分析法に用いられる分析計の略称がNDIRです。NDIR法では、赤外放射を気体に照射し、気体が吸収する赤外放射の光量を調べることで、気体濃度の分析を行います。ND(nondispersive)は「非分散型」の意味で、光源からの赤外放射を分光することなく、全波長領域に関する吸収を一括で検出する技法のことです。

光学フィルタで波長選択を行い、チョッパーで赤外放射を断続させて外乱の影響を防ぎながら、赤外線センサで光量を検知します。NDIRの大きな利点は、構造が比較的単純であり小型化が可能であることです。検出対象の気体としては、一酸化炭素、二酸化炭素、炭化水素などが挙げられます。